愚痴。前回D800にするか5D MarkIIIかという、素直な題名で記事を書いた所、時期が早かったせいか、ストレートな題名がキャッチーで一目をひいた(ひきすぎた)せいか、なんか人がいっぱい来るようになってしまった。というか、それぐらいだったらまだよかったんだけど、Zenbackで著名な方のリンクにでてしまっているようで、そんな所に自分のアホ記事へのリンクがはってあるのが恥ずかしい。
まあ、今回フルサイズデビューしたいって言う人もたくさんいるだろうし、初心者、画質至上視点からの戯れ言があってもいいのかな・・・。 初心者女子供のためのwwwとか入れておけば、怖いおっさんはリンク避けてくれたかな・・・。写真撮るおっさんは怖い人が多いからな。Image source: http://nikonrumors.com/ |
http://www.dpreview.com/news/2012/03/22/Nikon-D800-First-Impressions
http://www.flickr.com/photos/nikonrumors/sets/72157629289734604/
うーん、うーん。
初見の印象。
画像が嫌い。
なんでとは言えないんだけど、
好きじゃない。
色が。
色味じゃなくて、色が。
なんか全体的に、筆を洗わないで描いた水彩画のように色が濁っている。
暗い。
の癖、ギラギラしている。
私の理想は5D(初代)の色出しなんですが、何が違うんだろうと思って、5D、5DMark2、D700の撮影サンプルと色々比べてみる。
ちなみに5Dの色出しを形容するとしたら、何層もの薄い絵の具を丁寧にぬり重ねて色を出したような空気まで映し出す最高にピュアな画。 レンズの違い?緯度によって結構空気と日差しの入り方が違うから、それによる色調の違い?ISOの違い??たしかに1200万画素ぐらいの5Dと3600万画素だっけ?のD800の写真を比べると細部の表現度は全然違う。普通のテレビとハイビジョンを比べるような物だ。でもそれでも、写真の一部に目を向けるんじゃなくて、絵として全体を眺めた場合、5Dの方がやっぱりきれいなんだよなぁ・・・(特にサムネールの状態で見比べると顕著)空気感があると言うか。
それで、このもやもやをどうにかしたくて、さらに色々比べてみた。
世の中には中判カメラと言うめちゃくちゃ高くてよく映るフルサイズの上のカメラがあるらしい。そのカメラならば、D800並の解像度を維持しつつ5D程度の画素ピッチが稼げるらしい。確かに、ペンタックスの645Dというカメラの作例は、解像度と5Dの空気感/透明感のようなものを両立していて、まさに5Dの進化系という感じだ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/newproduct/20100604_371978.html
そして、D800の画の気持ち悪さの正体がなんなのか分かった。
D800の色味は5Dや645Dの色味に比べて圧倒的に高輝度の色域ばかりで構成されている。いわゆるコンピューター色丸出しの「生の色」ってやつです。ウェブセーフカラーみたいな彩度がギンギンでCMYKの4色分解の色で出せない色。セル塗りのアニメとデジタル塗りのアニメの違いみたいなもん。輝度は紙に印刷すればほとんど影響がなくなるから、あんまり重要ではないというニコンの判断なのかな?でも時代はどんどんペーパーレスになっていると思うんだけど・・・。個人的な事で申し訳ないが、私はデザインする時高輝度の色はなるべく避けるんだ(というかきっちり目的がある時以外使わない)。素人っぽくなるから。元々自然界には存在しなかった色だし、色相が同じでも見たときに何ともいわれぬ違和感みたいなのがあるんだよね。
プロの撮ったD800オフィシャルの作例を見たときに、一番初めに感じた違和感もこれだと思う。全体的に色味が暗いのに、ギラギラしている。デジタルっぽい生っぽい色。これは、どのレンズを使ってもどんな状況でも共通した傾向だからD800ひいては高画素機の特徴なんでしょうね。Eの作例でも、多少はマシだけど、無印よりは、というかんじだし。ツアイス使った作例でも、ツアイス色にはなってたけど、やっぱりギラギラした印象には変わりはなかった。残念ながら・・・。画素ピッチがD800と同程度だと言われているD7000だっけ?の作例を見てみたけど、やっぱり絵作りの傾向は似通っていた。(D800の方がずっときれいですけどね。傾向としてね)
本当にごくごく一部の人だけど、自分と同じような感想を持った人がいるようなので、少し安心。高解像度と色味のきれいさは現在の技術ではトレードオフの関係だと言う事なんでしょう。いろんな写真見てておもったけど、鳥とかサバンナの動物とかまつげのみにピントが合ってるようなポートレートとか、三脚がっちり備えて撮る風景とか、そういう超解像度が物をいう主題だったらきっとD800が最適なんだろうな。多少色味の悪さなんて超ディティールの前ではどうでもいい、というのを自分も感じたし。
でも自分はそんなプロい写真沼まで嵌るかどうか分からないのと、今撮るのが好きなのが手持ちで自分で寄って撮ることが多いので、このような用途だとやっぱり全体としてみたときの色のきれいさの方が重要かな・・・。 重さが一番のネックとかいっておきながら、コンデジやミラーレスにしないのも、これらのカメラではギラギラした色の写真しか撮れないからだし・・。
あともう一点重要な点があって、D800のサンプル、うまい写真とアレな写真の落差がすごい。まあ、これはどのカメラの作例を見ていても同じ事だけど、D800の場合は「え・・・?これが?」みたいなサンプルも超お高いレンズで撮ってあったりするので、シャッター押したら超絶画像が撮れるカメラではない事は素人にもよく分かる。自分がこれ買って、お高いレンズ揃えて「え・・・これが・・・?」しか撮れなかった場合の事考えると(インプレスの作例とかw)リスクが高過ぎて、もっと修行してから超解像度が欲しくなってきたときに買えばいいかなーという結論に達しました。
MarkIIIは人物ポートレートに興味がない、動きもの興味ない、高感度?よりは通常の感度の画質優先な自分には値段が高いだけの最新機のようなので、ここへ来てD700と5DMarkIIの線が大浮上。まあ、フルサイズ初めてなんで安いボディー買ってちょっといいレンズ手に入れて練習するのも悪くないとおもうんだす。
それにしてもでかくて重いんだよなー。(溜息)
2012/7/16追記
発売の時点ではこんな事かいていた自分ですが、結局悩みに悩んでD800を買いました。
理由としては上記にかいたような色についての懸念は、撮影時のパラメーターの変更、現像時の調整によって、自分好みの色調に出来るだろうということが、(一般人の)サンプルを見てわかったこと。
カメラとしての作りはD800は問題なく、将来的に子供などを撮りたいと思ったときに5DMarkIIよりも動体もストレスなく撮れるだろう事から、こちらを購入に至りました。
その後自分で撮影してみて色についての懸念は全く杞憂に終わった事など(調整が必要ですが)、こちらのレポートにまとめてありますので、同じような悩みを持っている方は是非目を通してみてください。
- キタ━(゚∀゚)━!!!!!ついにきたよD800!!キタ━(゚∀゚)━!!!!! 〜女子供にD800はつかえるのか!?御託編〜
- キタ━(゚∀゚)━!!!!!ついにきたよD800!!キタ━(゚∀゚)━!!!!! 〜色にしか興味がない人の作例編〜
- タグ:D800
いやー、だってこのままD800に汚名着せたままにしとくのも悪い気がして。ちなみに、撮り手のスキルが如実に反映されるという点は変わりありませんw
8 comments :
現在迄Canon使い続けて来て今は5D-mⅡLレンズも七本。今回のD800のスペック見て浮気?心が急浮上。これまで仕事で、シノゴとか大判のフイルムの解像度と色の飽和度豊かな画像に魅せられてきたからです。
先日オランダの美術館に行く機会があり名画を思いっきり間近に見ていて感じたこと、そう絵ってそんなに近くで見るものではない。そう所詮人間が筆で書いたものましてや印象派の美しい絵は荒いタッチが殆ど。そうですね絵の具の点を小さくして行くと光の干渉で色が黒ずんでいくんですよね。写真はこれからの技術で解決してゆくんでしょうけど。
うーん迷ってしまいましたが、自分の目で確かめそして納得出来たらいいのではないかと思いD800にチャレンジしようかと思っています。多分用途に合わせて、両党使いに成りそうです。
そうですねこの写真の世界異様に隠れた利害関係がありその領域に触れると怖いから大変ですね^^。
それにしてもなかなか説得ある記事に久しぶりに出会いを感じてしまいました。これからもよろしくお願いします。Tokk
Tokkさんこんにちは
コメントどうもありがとうございます(^^)Lレンズ7本とはすごいですね!先日ちょうど5Dのボディーで50mmのプラレンズとLレンズでちょうど同じ被写体を撮る機会があったんですが、素人が使ってもやっぱりLレンズは重さも値段もサイズの不満もねじ伏せてしまう実力があると感じます。コメントから察するにプロの方だと存じますがよろしければURL教えてください。
そうですね。印象派の例えはまさにその通りだと思います。あの人たちも色の純粋さを追い求めてあの画法にたどり着いた経緯もありますし・・・。そうか、わたしは写真撮りの印象派なのか!(笑)
実は、この記事を書いたあとにやっぱりさんざん悩んで、作例を見て、色の問題は現像段階でかなり救済できそうな事、細部の表現はやっぱりフルフレームカメラとしては段違いなことで、ぶつぶつ言ってた割にしっかりD800取り寄せ欄に名前を書いてきたのですが、未だに入荷の連絡がありません。そんなこと言ってるうちに、理想的画素数&軽いらしいD600の噂が出てきてしまって、今年の夏はカメラなしかも・・・。まあ、軽いなら軽い方がいいんですけど。
こちらこそこれからもよろしくお願いします。
あ、URLありましたね。失礼しました。
Nnako Neko さんレス返していただきありがとうございます。Lレンズ7本ありますが殆ど中古です。それからそれから私はズブの素人ですよーーー。
ただ技術屋なので、あの3630万画素!にはどうしても引き付けられます。APSサイズからフルサイズの2000万画素を手にした時その解像度に痺れてしまいましたから。
人間の耳は20000Hz以上は聞こえないからとCDの
再現音域を20000Hzで切ってしまった。でも人間は実はそれ以上も感じ取るものがある事が分かってSACDでは増やしましたよね。
画像もやっぱり私としては高解像度は魅力、それに大は章を兼ねる?シャープネス和らげる余裕もあるのでは…とか考えてしまいます。
そしてしっかり今、順番待ちしています。なかなか順番は来ないようですが。^^
そうですね〜
わたしもIphoneのラティナがさらに進化して、紙と同程度のPPIのディスプレイでA3とかの写真がデジタルのまま見れたら・・・・!!!とか死ぬ前までには登場するんじゃないかとワクワクしています(笑)
印刷しないと3600万画素が活かせないし、かといって印刷すると結構な色が死にますからね・・。
MP3もCDと同程度のクオリティーとかいっておきながら、いいスピーカーで聞くとやっぱり違いが分かるし、職人さんは機械が判別できないミクロンの差を手触りで認識するっていいますもんね。人間の感覚ってすごいです。
日本でもまだ順番待ちなのですか・・・。ということは北米に潤沢に回ってくるのは一体いつの事やら・・・。
紙への印刷表現は色を殺してしまう。
その通りですね、RGBの加色混合再現領域はCMYKの減色混合領域比較にならないほど広いですからね。
ただ、RGBは3色のみ、それとCMOSセンサーはいろんなフィルターで有害UVとかカットしていますから、再現できていない色があるんです。例えば青緑、あのブルーの有名な蝶の色とかetc.
それに比較して印刷はCMYKの他に特色を使うことができるので補色としてのフォローができるんです、まぁ邪道かもしれませんが。ワイドカラーとかはCMYK+RGBの色材使って別世界の色空間を創ってます。
あくまでも擬似表現ですが。
自ら発光する力には及びませんが・・・
そろそろ、D800 登場のようです^^。
Nanake nekoさん
はじめまして、woodstockと申します。私は永年のAマウントユーザーですが、現在マウント乗り換えも含め買い替えを検討中です。選択肢はD800、5Dmk2、α99です。なぜ5Dmk3でないかと言えばmk2のスッキリとして透明感があり、かつコントラストが強めで立体感のある映作りが好みだからです。でも色々な要素でコスパ最高のD800にも大変な関心があり、RAW現像などでmk2の映作りが再現できるなら迷わずD800かなと思っていました。そんな中webを調べているうちにこちらのブログにたどり着きました。D800、5Dmk3の色に対して私と同じような印象を持たれており、他の記事も含め色々参考になりました。
それで先日、両機種をレンタルして試用してみたのですが、スチルについてはD800の雰囲気をかなりmk2に似せることができました。しかし私にとって大切な要素であるムービーに限っては、簡単には両機種の差を縮めることは出来ませんでした。ただD800のダイナミックレンジの広さは魅力的ですね。いずれ天体写真にも戻りたいと思っているので、特に暗部の階調量は後処理をする上で重要なポイントです。
万能選手のD800を選ぶか、色味を最優先してmk2にするか、本当に悩みます。ちなみにα99は手に持った時の直感で選択肢から外れたかなと思っています。本当はレンズ資産を生かしたいのですが…。
もしD800ユーザーになった際は、ちょくちょくお邪魔させて頂きますね!
返信ものすっごい遅くなって失礼しました!
この記事はまさに自分の思ったことをつらつらと書き連ねただけなので、ご賛同いただいて非常にうれしいです(^^)D800は本当に「あとからどうとでも調理できる」画質だとおもいます。Rawで撮影されたものであれば、かーなーりー失敗した写真でもそこそこ見れる写真程度に持って来れるポテンシャルが普通にあります。ので、撮影の時点で細心の注意を払って撮った写真であれば、ピント以外であればもう本当に思い通りに現像していくことができるので、その点では使っていて楽しいです。
しかしその反面、カメラそのものやデフォルトでも色作りには多少癖があるので、シャッター押しただけで吐き出される画像がそのまま仕上がりクオリティーかというとそうでもない(手をかければどうなるかを知っているだけに)ので、いちいち現像が面倒という欠点もあります。
5Dmk2は画質はともかく操作性と(今となっては)デジタル周りが貧弱なので、D800お勧めしますよ!!!(笑)うちの結婚式の写真は5D2で撮ってあったようですが、精彩感、暗部でのノイズなどD800クオリティーに目が慣れてしまった今、見返してみるとちょっと物足りなく感じました。
ムービーは機能自体一度も使ったことがないのでわかりません(^^;)
しかし、スチルだけではなくムービーもと考えると、さらに選択が難しくなってきますね。
ここはぜひD800を購入して現像地獄に陥ってください!(笑)
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