やっと来たNikonD800と共に憧れのニコ爺生活。写真撮ったり、北米語とイギリス英語の違いついて考察したり、デザインについて考えたり、外国生活について問答したり。それぞれの比重はそのときに興味あるものによって変化します。まあ、ちょっとマニアな話が多い。

2012/03/27

D800の画質、好きじゃないかもしれない。デザイナーの戯言

2012/03/27
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愚痴。前回D800にするか5D MarkIIIかという、素直な題名で記事を書いた所、時期が早かったせいか、ストレートな題名がキャッチーで一目をひいた(ひきすぎた)せいか、なんか人がいっぱい来るようになってしまった。というか、それぐらいだったらまだよかったんだけど、Zenbackで著名な方のリンクにでてしまっているようで、そんな所に自分のアホ記事へのリンクがはってあるのが恥ずかしい。
まあ、今回フルサイズデビューしたいって言う人もたくさんいるだろうし、初心者、画質至上視点からの戯れ言があってもいいのかな・・・。 初心者女子供のためのwwwとか入れておけば、怖いおっさんはリンク避けてくれたかな・・・。写真撮るおっさんは怖い人が多いからな。
Image source: http://nikonrumors.com/
そんなわけでFXフォーマット永遠のArchrivals D800と5D Mark3が発売されましたね。前回書いた通り、私は重さが一番のネックになるような気合いの足りないフォトグラファー(←これって意味合いの日本語がないんだけどどうしたらいいの?Photographerには写真を撮る人って意味しかなくて、Professionalがついてなかったら別にプロじゃなくてもPhotographerって言っていいんですよ。日曜写真家?写真撮りが趣味の人?)なので、重さがどっちもどっちとなった時点で、じゃあどっちがよりきれいな写真が撮れるのよ?っつーことで、一般の作例があがってくるのをじっと待ってました。で、D800の一般のサンプル。(いや、プロが撮ったかもしれんけどw。少なくともスタジオ+三脚ではないし)
http://www.dpreview.com/news/2012/03/22/Nikon-D800-First-Impressions
http://www.flickr.com/photos/nikonrumors/sets/72157629289734604/

うーん、うーん。
初見の印象。
画像が嫌い。

なんでとは言えないんだけど、
好きじゃない。
色が。
色味じゃなくて、色が。
なんか全体的に、筆を洗わないで描いた水彩画のように色が濁っている。
暗い。
の癖、ギラギラしている。

私の理想は5D(初代)の色出しなんですが、何が違うんだろうと思って、5D、5DMark2、D700の撮影サンプルと色々比べてみる。
ちなみに5Dの色出しを形容するとしたら、何層もの薄い絵の具を丁寧にぬり重ねて色を出したような空気まで映し出す最高にピュアな画。 レンズの違い?緯度によって結構空気と日差しの入り方が違うから、それによる色調の違い?ISOの違い??たしかに1200万画素ぐらいの5Dと3600万画素だっけ?のD800の写真を比べると細部の表現度は全然違う。普通のテレビとハイビジョンを比べるような物だ。でもそれでも、写真の一部に目を向けるんじゃなくて、絵として全体を眺めた場合、5Dの方がやっぱりきれいなんだよなぁ・・・(特にサムネールの状態で見比べると顕著)空気感があると言うか。

それで、このもやもやをどうにかしたくて、さらに色々比べてみた。
世の中には中判カメラと言うめちゃくちゃ高くてよく映るフルサイズの上のカメラがあるらしい。そのカメラならば、D800並の解像度を維持しつつ5D程度の画素ピッチが稼げるらしい。確かに、ペンタックスの645Dというカメラの作例は、解像度と5Dの空気感/透明感のようなものを両立していて、まさに5Dの進化系という感じだ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/newproduct/20100604_371978.html
そして、D800の画の気持ち悪さの正体がなんなのか分かった。

D800の色味は5Dや645Dの色味に比べて圧倒的に高輝度の色域ばかりで構成されている。いわゆるコンピューター色丸出しの「生の色」ってやつです。ウェブセーフカラーみたいな彩度がギンギンでCMYKの4色分解の色で出せない色。セル塗りのアニメとデジタル塗りのアニメの違いみたいなもん。輝度は紙に印刷すればほとんど影響がなくなるから、あんまり重要ではないというニコンの判断なのかな?でも時代はどんどんペーパーレスになっていると思うんだけど・・・。個人的な事で申し訳ないが、私はデザインする時高輝度の色はなるべく避けるんだ(というかきっちり目的がある時以外使わない)。素人っぽくなるから。元々自然界には存在しなかった色だし、色相が同じでも見たときに何ともいわれぬ違和感みたいなのがあるんだよね。

プロの撮ったD800オフィシャルの作例を見たときに、一番初めに感じた違和感もこれだと思う。全体的に色味が暗いのに、ギラギラしている。デジタルっぽい生っぽい色。これは、どのレンズを使ってもどんな状況でも共通した傾向だからD800ひいては高画素機の特徴なんでしょうね。Eの作例でも、多少はマシだけど、無印よりは、というかんじだし。ツアイス使った作例でも、ツアイス色にはなってたけど、やっぱりギラギラした印象には変わりはなかった。残念ながら・・・。画素ピッチがD800と同程度だと言われているD7000だっけ?の作例を見てみたけど、やっぱり絵作りの傾向は似通っていた。(D800の方がずっときれいですけどね。傾向としてね)

本当にごくごく一部の人だけど、自分と同じような感想を持った人がいるようなので、少し安心。高解像度と色味のきれいさは現在の技術ではトレードオフの関係だと言う事なんでしょう。いろんな写真見てておもったけど、鳥とかサバンナの動物とかまつげのみにピントが合ってるようなポートレートとか、三脚がっちり備えて撮る風景とか、そういう超解像度が物をいう主題だったらきっとD800が最適なんだろうな。多少色味の悪さなんて超ディティールの前ではどうでもいい、というのを自分も感じたし。

でも自分はそんなプロい写真沼まで嵌るかどうか分からないのと、今撮るのが好きなのが手持ちで自分で寄って撮ることが多いので、このような用途だとやっぱり全体としてみたときの色のきれいさの方が重要かな・・・。 重さが一番のネックとかいっておきながら、コンデジやミラーレスにしないのも、これらのカメラではギラギラした色の写真しか撮れないからだし・・。

あともう一点重要な点があって、D800のサンプル、うまい写真とアレな写真の落差がすごい。まあ、これはどのカメラの作例を見ていても同じ事だけど、D800の場合は「え・・・?これが?」みたいなサンプルも超お高いレンズで撮ってあったりするので、シャッター押したら超絶画像が撮れるカメラではない事は素人にもよく分かる。自分がこれ買って、お高いレンズ揃えて「え・・・これが・・・?」しか撮れなかった場合の事考えると(インプレスの作例とかw)リスクが高過ぎて、もっと修行してから超解像度が欲しくなってきたときに買えばいいかなーという結論に達しました。

MarkIIIは人物ポートレートに興味がない、動きもの興味ない、高感度?よりは通常の感度の画質優先な自分には値段が高いだけの最新機のようなので、ここへ来てD700と5DMarkIIの線が大浮上。まあ、フルサイズ初めてなんで安いボディー買ってちょっといいレンズ手に入れて練習するのも悪くないとおもうんだす。

それにしてもでかくて重いんだよなー。(溜息)

2012/7/16追記
発売の時点ではこんな事かいていた自分ですが、結局悩みに悩んでD800を買いました。
理由としては上記にかいたような色についての懸念は、撮影時のパラメーターの変更、現像時の調整によって、自分好みの色調に出来るだろうということが、(一般人の)サンプルを見てわかったこと。
カメラとしての作りはD800は問題なく、将来的に子供などを撮りたいと思ったときに5DMarkIIよりも動体もストレスなく撮れるだろう事から、こちらを購入に至りました。
その後自分で撮影してみて色についての懸念は全く杞憂に終わった事など(調整が必要ですが)、こちらのレポートにまとめてありますので、同じような悩みを持っている方は是非目を通してみてください。
いやー、だってこのままD800に汚名着せたままにしとくのも悪い気がして。ちなみに、撮り手のスキルが如実に反映されるという点は変わりありませんw